東芝との共同開発…其の弐

内野式洗浄の歩み。シリーズNO.134

 

承前;東芝との共同開発。シリコーン油が完全フッ素化液体での蒸気で溶ける件

このことは予想外の結果で即、東芝へ知らせました。東芝から翌日には稲田課長が確認に来られ、結果を見て驚き1~2分で会社へ帰られました。翌朝には東芝の幹部を含め7から8人が来社され共同開発の正式の契約書を持参の上、開口一番

「JFの社内のシークレットは体制はどうなっていますか?このシステムは世界の特許を取得したい。その為には2ヶ月くらいの日数が必要でその間にはこのことが外部にもれない様にして下さい」

とのこと。その時の東芝側のメンバーは藤井取締役、今城部長、冠木研究部長、稲田課長その他の人々でした。共同開発の申し込み時は口頭で成果が生まれたら、慌てて正式契約書を提示してきました。私は口頭での約束でも約束は約束なので特に異議は持ちませんでした。

どのくらい溶解するかは東芝の研究所で精密に測定した結果、シリコーン油が完全フッ素化液体の蒸気に13%溶けることが分かったのでした。一般的には不活性液と書いてあれば溶かさないと考えるのが普通でしょうが、何でも試してみることは大切だと云うことがよくよくわかったものです。

東芝は「東芝テクノケア」という商品名で全国へ販売を開始、展示会にも共同で出品して4600社が資料をもらいに来たことも驚きでした。その展示会には当時の東芝の社長の青井様が来られて、私と握手されて「ありがとう」と御礼を言われたことを昨日のように覚えています。