最適な時

内野式洗浄の歩み。シリーズNO.172

 

アメリカのダウ・ケミカルから1.1.1トリクロロエタンとしてクロロセンNUが日本に登場した頃、私は未だ旧パーカー商事の化学品課のサラリーマンでした。自分の仕事はアメリカのコリーン社のコリーンプロセスの装置とソルトの販売をやりながら、ある日会社には内緒で勝手にダウ・ケミカル日本支社へ1次代理店になる為の条件だけを聞きに訪ねることにしました。

日本支社の安藤部長を訪ね、受付で訪問の旨を伝えましたがなかなか会うことが出来ませんでした。受付で催促すると

「先程安藤部長は来られましたよ!」

とのこと。その為、再度待っていると安藤部長から

「何?あなた一人なの?」

とのお言葉。

おそらくは一次代理店の条件を尋ねに来ると聞き、役員メンバーが大勢来ているものだと考えていたようでした。その当時一次代理店の条件はクロロセンNUを300ドラム分ストックする事でした。しかし(旧パーカー商事の)役員会議ではその条件が飲めず一次代理店を逃してしまっていました。

その後一年くらいで私は会社を退社し、退社後2年くらい経ったある日風の便りで一次代理店を貰いに行ったが全てテリトリーが決まっていてダメだったと残念がっていたということを聞きました。やはり商売は適時が重要だと確信したものでした。

続く)